この本に出会ったのは21歳の時で、強い衝撃を受けたのを今でも覚えている。
友人から『タローすげーから』とゴリ押しされて本書を読み始めると、あっという間に読み終えてしまった。
当時の私は大学受験に失敗し、仕方なく滑り止めの大学に入学したものの、ただ遊んで就活してというのが、これから続くのかと思うと耐えられなくなり(実際には向上心の高い学生もいたが)、半年を待たずして中退することになった。
これで、一般社会というレールから外れたと心踊った。ただ、数日後には何をすればいいのかわからず、人生の目標として何を目指していいのかわからず、急に不安になった。つまり、絵に描いたような不安に苛まれる若者となったのだ。学生であるという保険とも言える依代のない、ただの将来が不安なフリーターだった。
そんな時に読んだ本書は、あまりに刺激が強すぎて、劇薬であった。
本書は著者である岡本太郎の生い立ちからの半生を自伝的に知ることができ、所々で散りばめられた、強烈な批判や強いメッセージに何度も勇気付けられた。
本書での一節にこんな文章がある。
一方は既に慣れた、見通しのついた道だ。安全だ。
一方は何か危険を感じる。もしその方に行けば自分は一体どうなってしまうのか、不安だ。
“自分の中に毒を持て”より
私が最も勇気をもらった言葉で、今も何かに迷った時に思い出す一節です。本当は危険な道に惹かれるけれども怖い。踏ん切りがつかない。そんな時に勇気をもらった言葉です。
『失敗したっていい。むしろ失敗したほうが面白い』そんな太郎氏の言葉で一歩踏み出す勇気を何度ももらえた。
勇気をもらえる、やる気をあげさせてくれるという意味では自己啓発本と言えるのだけれど、あまりに攻撃的で、常識とは正反対と言える考え方に衝撃を受けた。
自分らしくある必要はない。むしろ、”人間らしく”生きる道を考えてほしい。
“自分の中に毒を持て”より
岡本太郎という人間は全てこの言葉に集約されるように思う。
失敗も苦しみも人間らしい営みで、素晴らしいことじゃないかと。だから自らそこへ飛び込み、人間らしく生きよ。熱く、強烈なメッセージを放つ岡本太郎を感じれる一冊です。